やってもやっても終わりのない家事に忙殺されていませんか? 「女は家事」の呪いは強力ですが、その呪いを解くカギは、ママが持っているのだとしたら? 『もう「女の家事」はやめなさい 「飯炊き女」返上が家族を救う』(佐光紀子 著)を参考に、ママが楽になる方法を探ります。
やってもやってもあとから出てくる家事に、 パンク寸前になっていませんか?子どもが生まれ、家族が増えると家事の量は倍になりますが、 家事の担い手が増えるわけではありません。
子どもはともかく、夫に対しては、 もっとやってくれてもいいのに、 と不満がたまりがちになりますよね。
「なんで私ばっかり!」と爆発すれば、「いやなら、やらなければいいだろ!」なんてトンチンカンな受け答えがかえってきてますます幻滅、 なんてことも。
「私がやらなかったら、家のなかぐちゃぐちゃになるじゃないのよ! !」という言葉をのみこんで、自らドツボにはまる前に「なぜ日々の家事に忙殺されてしまうのか?」根本原因を探り、 そうならないための対策をたててみましょう。
参考にするのはこちらの書籍。佐光紀子 著『もう「女の家事」はやめなさい 「飯炊き女」返上が家族を救う』です。
まだ「手作り=愛情」と思っているの?
家事といって思い浮かぶのは、まず料理。「おふくろの味」「愛妻弁当」といった言葉はまだ生き延びていますが、時に違和感を覚える女性もいるのではないでしょうか。
ニッスイによる共働き家庭の結婚当初と現在の料理事情を調査した調査(2019年5月)によると、新婚のときは現在よりも料理に手をかけることにこだわっていた人は、全体の57%。こだわりの内容トップ3は、以下の通りです。
1位 手作りおかず1品以上 66%
2位 レトルト・冷凍食品 NG 42%
3位 一汁三菜 34%
2位 レトルト・冷凍食品 NG 42%
3位 一汁三菜 34%
さらに、夕食準備に1時間以上かける人は32%もいます。子どもが生まれた今、同じことをしろと言われたら、無理! と叫びたくなりそうですね。
ですが、多くのママが、無理と叫びつつ、できない自分を責めてしまっているのではないでしょうか。
たしかに、手間ひまかけた手作りの料理をよりおいしく感じる感覚は、理解できます。わかります。ですが、毎日三食、時に子どものおやつや夫の夜食まで手作りを徹底させるには、現代のママたちは忙しすぎます。
他にやりたいことだってあるし、働きたい! それは男性も同じなのに、なぜ妻、そして母というだけで、手作りごはんは愛情の証という呪縛にとらわれてしまうのでしょうか。
ちなみに、ニッスイのアンケートの回答者の内訳は、男性41人、女性459人です。
家族にあわせたメニューづくり
知人で、夫が嫌いだから鶏肉のレシピはほとんどつくらないという人がいます。他にも、子どもが食べられる甘いカレーしか作らない、という人も。
どうしても辛いチキンカレーが食べたいと思ったときは、どうしているのでしょうか。
とかく、自分がガマンすれば、と考えがちな日本のママたち。
もちろん、家族用と自分用と別メニューにすれば、どちらも食べたいものが食べられて解決、となりますが、料理するのがママひとりなら、単純にママの仕事が増えるだけ。だったら、自分の食べたいものはなしでもいいや、と考えるのでしょう。
そういった献身的なマインドセットの積み重ねが、「なんだかんだいっても家のことはママ」の呪縛をより強固にしてしまうのかもしれません。
片づけ大ブーム、日本では女性だけ?
相変わらずの片づけブームは続いています。物質の豊かさを享受する時代から、時代は「片づけ」へ。
ときめくものだけを残し、シンプルな暮らしをすることで心の豊かさを手に入れることを提案するこんまりこと、近藤麻理恵さんは、今や拠点をアメリカに移し、ワールドワイドで活躍中です。
彼女が片づけたい人の自宅を訪問するNetflixの番組も、大ヒット。それをみて気づくことがあります。日本でこんまりメソッドにはまる人は、ほぼほぼ女性であるのに対し、番組に出てくるアメリカ人は夫婦だったり、家族だったり、女性ひとりで片づけを担う様子がないのです。
片づけは、日本では女の仕事ということなのでしょうか。
こんまりと同様、流行語にもなった「断捨離」も、日常のなかで聞かれるのは、「断捨離できなくて」と言った風な自虐的表現だったりします。女性みずから、「片づけられない=ダメな女」扱いをしてしまっているのです。
勇気をもって手放す
では、家事をひとりで背負いこまないために、できることを具体的に考えていきましょう。
家事代行を利用する
自分がやらない、ということは、誰かにやってもらう必要があります。お金を払って家事代行を頼むのも、ひとつお解決法です。
家事のアウトソーシングについては、賛否両論あった時代もありましたが、かなり敷居が低くなってきた感があります。単発で依頼することも可能ですし、時々プロに家事をやってもらうことは、金額以上に得るものがあるようです。
家族に依頼する
「うちの夫はなにもしない」という家庭もあるかと思いますが、家事ストレスから解放されるには、夫をいかに協力者に育てるかにかかっています。依頼するときは、明確に、具体的に指示しましょう。
初めはクオリティー的に不満を感じることもあるかもしれませんが、そこはぐっとこらえて、ほめて感謝しつつ、修正してもらうように導くのです!
パパががんばって家事をしている姿をみせることは、子どもへの最高のしつけにもなります。子どもにお手伝いさせるのに早すぎるということはありません。子どもがしたがるタイミングを逃さず、子どもも戦力にしてしまいしょう!
決してしてはいけないこと
いったん家族に頼んだら、あとから口や手を出すことは、なにがあってもやめるべき。たとえば、家族にご飯を炊いておいてと頼んでおいたとします。ところが、帰宅してみると、炊飯器のスイッチが入っていません。どうやら炊くのを忘れたようです。
こんなとき、あなたならどうしますか?
(1)大急ぎでご飯を炊く
(2)冷凍のご飯などがあればそれをチンして出す
(3)スーパーなどに買いに走る
おそらく多くの人が、条件反射的に上のいずれかの行動をとってしまうと思うのですが、ここで取るべき行動は、第4の選択肢です。それは、
(4)なにもしない
どうでしょうか。けっこう難しい! と感じてしまう人もいる気がします。
しかも、ここで大事なのは、あなたは約束を守らなかった、と相手を責めないことです。怒らず、淡々と自分のすることをする。ご飯以外のおかずは自分がすることになっていたのなら、ただおかすだけを食卓に並べるのです。
「あれ、ご飯は?」という声が、家族から上がるかもしれません。ご飯炊きを頼まれた張本人が忘れていたことに気づくまで、知らんふりでOK。
(1)~(3)は、手っ取り早い解決法のようにみえますが、どれも、単にママが家族のフォロー、悪く言えば尻ぬぐいしているだけです。
忘れた本人を含め、家族に「忘れたのは悪いけど、うちにはママがいるから大丈夫」と思わせていては、言葉は悪いですが、いつまでたっても、あなたは「飯炊き女」のままです!
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習慣の力というものは意外と根強いものです。いきなり革命を宣言するのではなく、長期戦で考えていったほうがいいかもしれません。
少しずつ自分の抱えていたものを手放し、家族への信頼を育てていってくださいね。