2020年2月5日水曜日

厚化粧の女性

厚化粧の女性は「人間らしさがなく道徳心や温厚さに欠ける」と見られがちなことが判明




化粧は人の見た目を大きく変える力を持っており、化粧をしている時としていない時では印象が大きく変わることもあります。ベルギー・ブリュッセル自由大学の研究チームは、「厚化粧をした女性は人間味が薄く、道徳心や温厚さが少ないように見られがちである」との研究結果を発表しました。



ブリュッセル自由大学のPhilippe Bernard氏は、「増加する研究により、身体を性的に見せることは、対象の非人間化と擬物化を促すことが示されています」と指摘。たとえばランジェリーを着用して挑発的なポーズを取った女性は、基本的な認知レベルで物体と同様の視覚的処理が行われ、人間味が薄いと評価されがちだとのこと。

「一連の研究は人々がメディアに登場する性的な画像をどう知覚するのかを知る上で重要でしたが、化粧のような微妙な性的形態が、モデルや一般の女性に対する印象にどう影響するのかはほとんど知られていません」とBernard氏は述べています。そこでBernard氏の研究チームは、アメリカ人やイギリス人を中心とした約1000人の被験者を対象に実験を行いました。


実験では被験者に対し、化粧をしていない女性の写真と、同じ写真にAIによるバーチャルメイクアプリ・ModiFaceを使って厚化粧を施した写真を見せました。そして被験者に、写真から受けた印象についてアンケートを回答させました。

アンケート結果を分析した結果、被験者らは厚化粧をした女性について、人間性・主体性・経験・能力・温厚さ・道徳性が化粧をしていない女性よりも低いと認識していることが判明。また、厚化粧の顔は化粧をしていない顔よりも「性的である」と判断される傾向もありました。

「化粧をしている顔はより性的であると判断されることから、性的な感覚は肌に張り付いた服や挑発的な姿勢といった身体的特徴だけでなく、マスカラや口紅のような特徴で伝えることが可能であると示されました」と、Bernard氏は述べています。


厚化粧をしている顔をより性的で人間味に乏しいと感じる傾向は、男女や個人の性的指向に関係なくみられたと研究チームは指摘。たとえ被験者が男性に性的魅力を感じる女性であっても、厚化粧の女性を「化粧をしていない女性よりも性的である」と判断していたとのこと。また、写真の女性がモデルだろうと普通の女性だろうと、厚化粧は性的な印象や非人間的な印象を強める効果を持っていたそうです。

研究チームによると、「対象の顔を性的なものだと感じる傾向と、対象から非人間的な印象を受ける傾向が関連している」という証拠は見られなかったとのこと。「対象を性的に見ることが、化粧をした人を非人間的に捉える背景にあるメカニズムではないかもしれない」と、研究チームは示唆しています。

今回の研究ではModiFaceを使って化粧なしの顔と厚化粧をした顔の比較を行いましたが、将来的には化粧の厚さを徐々に変化させ、より化粧が薄い状態ではどのような効果が現れるのかを調査できるとのことです。



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