2020年1月16日木曜日

議員は産休・育児休業もない現状

小泉進次郎議員の育休取得に「公務優先しろ」、議員は産休・育児休業もない現状



 小泉進次郎環境大臣が今月15日、環境省で開かれた「選択と集中実行本部」会議に出席し、育児休暇を取得する意向を明らかにした。昨年フリーアナウンサーの滝川クリステルさんと結婚、1月中に第一子が誕生予定だ。
 小泉氏は第一子誕生後の3カ月間で短時間勤務やテレワークを組み合わせ、合計で2週間ほどの育児時間を確保するといい、育休が取得できる“空気”をつくっていきたいと述べている。
<制度だけでなく空気を変えていかなければ、(育休を)取得する公務員も増えていかない。私をきっかけに、みんなが臆することなく取得しやすい働き方が進むことを期待している>
 小泉氏が最初に育児休暇取得の意向を示したのは昨年9月だが、ネット上では賛成だけでなく、「国会議員は公務を優先しろ」と反対する意見もあり、賛否両論となっていた。
 そして現在も、「大臣は国のために働くことを優先して欲しい」「この夫婦、どうしても育休取らなければ回らない事情はないでしょ」「国会議員が国民をバカにしている」といった批判の声は多い。
他方で、「目立つ立場の男性が積極的に育児するのは社会の意識を変えるから良いこと」「どんな立場であろうと休んでいい」「海外では首相だって育児休暇を取っている」等、小泉氏の育休を支持する声ももちろんある。
 男性、しかも立場のある男性の育児への関わりについて、小泉氏はたしかに議論の“きっかけ”を作っていると言えるだろう。これを機に、特定の個人に過剰に依存せず、重いポジションの人物が不在であっても問題なく機能する組織づくりを促進していくべきだ。
 ちなみに国会議員には、一般企業のような「育児休業制度」はないため、小泉氏は欠席届を提出して休暇を取得することになる。しかしこれは女性議員が任期中に妊娠出産となった場合を想定しておらず、2017年に鈴木貴子衆議院議員が切迫早産のため安静療養していた際、“一旦辞職すべき”“職務放棄”との誹りを受けて苦悩したと告白したこともある。

「仕事か育休か」の二択も苦しい

 これまで、複数の地方自治体の首長が積極的に育児をし、仕事一辺倒でない生活の仕方を発信してきた。市長や知事が育休を取得する場合も、取得期間は数日間、あるいは一日の数時間を育休として公務を入れないというもので、数カ月単位で休業するケースは少ないが、それでも一定の効果はあるだろう。
 たとえば愛知県西尾市の中村健市長は、昨年9月に第二子が誕生し、11月からの2カ月間、「午後6時以降の公務を控える」という形で、育休の時間を確保した。
 一昨年11月には、栃木県矢板市の斎藤淳一郎市長が三女の誕生に際して3日間の育休を取得。子どもの習い事の送迎などを行ったという。
 こうした男性の育休の形には、「育休と言えるのか」「民間企業の手本にならない」といった批判もある。しかし、仕事か育休かの二択も極端ではないか。
 様々な育休の形を模索し、時短勤務やテレワークなど仕事と育児が両立しやすい職場環境をつくっていくことも、男性の育児参加を推進する手段だ。そして男女を問わず、仕事と育児を両立する労働者の生活しやすさにつながるだろう。

千葉市は時間単位の有給休暇を推進

 課長クラス以上の職員に「イクボス宣言」をさせたことで有名な千葉市の熊谷俊人市長は、2009年の就任以来、働き方改革に取り組み、男性の育休取得を推進してきた。ちなみにイクボスとは、男性社員の育児参加に理解のある上司のことだ。
 千葉市男性職員の育休取得率は年々上昇傾向にあり、2015年度5.8%、2016年度10.3%、2017年度22.9%、2018年度34.3%となっている。
 また熊谷市長は、育休だけでなく時間単位の有給休暇である「時間休」も推進。企業が1日や半日単位での有給休暇だけでなく、1時間や2時間の時間休を柔軟に取り入れることが男性の育児参加につながると、「@人事」のインタビューで語っている。

2020年1月15日水曜日

海温が史上最高記録を更新

海温が史上最高記録を更新、毎秒5個の原爆が海で爆発している計算




2019年の気温は観測史上第2位」だということが分かっていますが、今回新たに「2019年の海温はこれまで観測された中で最も高かった」ことが判明しました。専門家は、上昇した海水温を原子爆弾の熱エネルギーに換算すると、毎秒5個の原子爆弾を昼夜を問わず休みなく爆発させ続けなければならない計算になると警鐘を鳴らしています。

近年の海水温が記録的な温度に達していることをつきとめたのは、中国科学院大気物理研究所(IPA)の海洋学者Lijing Cheng氏らの研究チームです。Cheng氏は世界中の11の研究機関と協力して、3800個以上の海上ブイによる観測データを集積。1981年から2019年までの、水深0~2000mの海水温を調査しました。

その結果、2019年の海水温は1981年から2010年の平均を約0.075度上回っていることが分かりました。感覚的には「たった0.075度」とも思えますが、海水温をこれほどまでに上昇させるには約228ゼタジュール(ゼタは10の21乗倍)もの熱エネルギーが必要になるとのことです。

Cheng氏は「0.075度というとほとんど0にも思えますが、分かりやすいように計算すると、過去25年間の海温上昇は1発約63兆ジュールの広島原爆に換算すると約36億発分に相当することになります」とコメント。また、共著者のジョン・アブラハム氏は「毎秒5個ほどの原子爆弾を25年間休まず投下しなければならないようなものです。もう少し分かりやすくすると、地球上の全人類に1人当たり100個のヘアドライヤーを持たせて、不眠不休で海を温めるのと同じです」と付け加えました。

研究チームはさらに、海が非常に多くの熱エネルギーをたくわえることは、深刻な影響を及ぼすと指摘しています。1970年以降の地球温暖化がもたらした熱のうち、90%が海に吸収されており、人間が住んでいる地域の大気や陸地の温度上昇に寄与したのは、全体のわずか4%未満だとのこと。それにもかかわらず、すでに世界各地で深刻な火災が発生しています。

2019年には、南米にあるアマゾンの熱帯雨林で史上最多の火災が発生していることが取り沙汰されました。

アマゾンが記録的な速さで炎上し気候変動に壊滅的な打撃を与える可能性がある - GIGAZINE


さらに、オーストラリアでは2019年の終わりごろから記録的な大火災が発生しており、2020年に入っても終息の見通しが立たない状況が続いています。

数カ月にわたりオーストラリアで続く山火事の凄まじい被害の記録、なぜこれほどまでに壊滅的な被害をもたらしているのか? - GIGAZINE


アブラハム氏は「我々が直面している地球温暖化は現実のものであり、悪化の一途をたどっていますが、今後人類が経験する災害に比べれば氷山の一角に過ぎません。海温が高くなると、極地の氷は早く溶けるようになり、水の膨張も相まって海面の上昇は加速します。また、海が温かくなればより多くの水蒸気が大気に放出されることになるので、ハリケーンや台風の勢力がより強大なものになり、降水量も増加します」と指摘して、今後はさらに甚大かつ多様な被害が発生することを示唆しました。

「女性専用車両に乗りたくない女性」の声

女同士の罵り合いショーにされる「女性専用車両に乗りたくない女性」の声
女同士の罵り合いショーにされる「女性専用車両に乗りたくない女性」の声の画像1
「女性専用車両に乗りたくない女性の意見」が複数のメディアで取り上げられ、物議を醸している。
 今月13日の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)では、女性専用車両に乗りたくない女性が増えているとして、女性専用車両で繰り広げられている女たちのバトルを特集したが、その内容から、Twitter上では「BPOに報告する」との批判が出ている。

「男の目がないと、女はひどい振る舞いをする」

 まず番組では、街頭の女性たちに「女性専用車両に乗りたくない理由」をインタビュー。女性たちは、<香水の匂いが強いときつい><においが混ざり合う><席の奪い合い><吊り革につかまらせてくれない><ハイヒールで踏まれた>など、においやスペースの奪い合いの問題があるから乗りたくないのだという。
 また、インタビューに答えた女性たちは、女性専用車両でそういった問題が起こってしまう理由について、「男性の目がないから」だと語る。
<男性がいたら男性の目を気にしてちゃんとしてても、女性だけだから『私が座るわ!』とか『そこは私の空間よ!』的な感じの人がいる>
<女子だけしかいないから周りの目が気にならなくなっちゃう>
 またスタジオでは、<驚きの実態>として、番組の調査では50人中35人の女性が女性専用車両には「乗らない」と回答したことを発表。
「乗らない」理由としては<ヒールの人が揺れに耐えられずに持たれかかってくる><(乗客同士が)周囲の視線を気にせずスマホに没頭><二人の女性がブランドかぶりでマウント>などが挙げられた。
 電車内での匂いやスペースの奪い合いは、女性専用車両に限って発生するトラブルではないが、番組ではそこに“女”というバイアスをかけ、「女同士は面倒くさい」「男の目がないと女は好き放題する」と決めてかかっている。典型的なミソジニーと言えるだろう。女性嫌悪は男性だけではなく、女性も持っている。
 番組アシスタントの斎藤ちはるアナウンサーが、女性専用車両は「ストレスが溜まる」ため、あまり乗らないようにしていると発言すると、羽鳥慎一アナウンサーは「年上の女性がマウントを取っている」との持論を展開した。
<(斎藤は)人として若手だからですよ、やっぱり>
<高年齢の人に、上から見られるじゃないですか。だから優しくされないんですよ>
<だって30歳の人から見ると(斎藤は)『この若いのが』ってなるじゃないですか。『私のポジションに』って>
 女性同士の罵り合いを「ショー」として消費し、男性が見物する構図がそこにある。また、「そもそも女性専用車両など不要」と言いかねない構成も大いに疑問だ。女性専用車両を必要とする乗客は確かにいるにもかかわらず、見えない存在になっていないか。

女性専用車両を必要とする人々がいる

 主に朝や夕方の混雑時に導入されている女性専用車両は、2000年代に普及した。痴漢を含む性犯罪被害を受けた経験から、女性専用車両でなければ混雑する時間帯の乗車が難しいという人もいるだろう。また、病気や怪我、障害、妊娠中、子連れなど、ラッシュ時の一般車両を利用することの負担が大きい人も女性専用車両を必要としている。
 また、女性専用車両に乗りたくない理由として、番組では場所取りやマウント取りが強調されていたが、乗らない人が多いのはそれだけではないだろう。女性専用車両の多くは一番端の車両であり、コメンテーターの山口真由弁護士は「(ホームの端)にあるから利用しづらい」と発言していた。
 容姿と痴漢被害が結びついていると誤解している人からの「あなたは痴漢に遭わないでしょ?」という視線が気になり、女性専用車両に乗れないという人もいる。こういった意見も番組内で紹介はされたものの、どう改善させるかという理論が展開されることはなかった。
 女性専用車両を「女同士の戦い」としてコンテンツ化することは、「女性専用車両に乗るやつはろくな奴がいない」「女性専用車両など無くせばいい」という印象を与えかねない。せっかく女性専用車両があるのに、それを必要とする人々が利用をためらうような空気をメディアが作っていいのか。

その時代に生きた人々の息づかいが感じられる写真集に

1985年~1986年の大阪で撮影された1000枚超ものモノクロ写真が一挙公開、その時代に生きた人々の息づかいが感じられる写真集に 2020年2月8日、 kouichi morimoto さんが1985年から1986年ごろに大阪で撮影した1000枚もの写真を、写...