何かにハマると人生は変わる。人生がより楽しくなる。そう実感する筆者が、相撲好きになって人生がどう変化したか、「5つの変わったこと」をご紹介します。
筆者が相撲ファンになって1年10カ月経ちました。相撲にハマって人生が変わったと実感しています。
もし相撲に熱中しなかったら、人生は今ほど楽しいものになっていなかったかもしれない、と思うほど。
どう変わったのか、具体的にご紹介します。
相撲にハマって大きく変わった5つのこと
1.2カ月に一度やってくる15日間が超楽しみになった
大相撲は2カ月に一度、奇数月に本場所と呼ばれる興行があります。1・5・9月は東京、3月は大阪、7月は愛知、11月は福岡でそれぞれ15日間に及ぶ戦いが繰り広げられるのです。力士の番付(地位)は本場所での成績で決まります。
本場所中は東京に限らず、地方場所へも遠征して、場所中に1日は現地で観戦するようにしています。その日以外はAbemaTVでの観戦です。
AbemaTVでは、一番下の番付の力士の取り組みから結びの一番(メインイベント)まですべて放送してくれます。時間があるときは、下の方の番付の力士の取り組みも見て、「こんな力士がいるんだ」とメモしたり、次世代のスター候補を探したり、気になる若手力士を調べたりして過ごすのは至福のとき。
一方、相撲を見る時間を確保できない忙しい日は、夜寝る前にダイジェストだけ見たり、勝敗がつく瞬間だけを閲覧できるNHKのサイト「大相撲取り組み動画」をチェックしたりと、それでも何かしら情報を追いかけるのが恒例です。
そんな日が2カ月に一度、15日間もあります。「推し力士(個人的に好きな力士)は今日勝ったかな?」「どんな決まり手で勝ったんだろう?」「今場所◯◯関は2桁勝利するんじゃないか?」など、相撲のことを考える毎日は楽しく、活き活きしているため、そのおかげか体や肌の調子も良いような気がします(気のせい?)。
2.今まで候補になかった地域を旅するようになった
筆者が見学させてもらった「新モンゴル日馬富士学校」
2019年9月時点で、大相撲界ではモンゴル出身力士が多数活躍しています。横綱・白鵬関に鶴竜関、平幕の逸ノ城関に玉鷲関、大翔鵬関、東龍関、十両にも千代翔馬関を筆頭に5人ほど、モンゴル出身力士が。
相撲を見るようになるまで、モンゴルという国を特別に意識したことはありませんでした。遊牧民生活を送っている人たちがいたり、フェルト小物が有名だったり、といった浅い知識しかなかったのです。
ただ、相撲にハマってからは、強い力士たちを輩出したモンゴルという国を、自分の目で見てみたい、そこの空気を吸いたいと思い、2019年6月に首都・ウランバートルへ行きました。
そこで元横綱・日馬富士さんが設立した学校や、鶴竜関が通っていたという学校を見学したり、元大関・照ノ富士さんが通っていたという柔道場を見に行ったりと、「日本の大相撲にゆかりのある場所」を巡るのを主目的とした旅をしてきたのです。
相撲に熱中することがなければ、モンゴルを旅することはなかったでしょう。今後も別の国出身で、気になる力士が出てきたら、迷わずその国を旅しに行きます。
3.相撲つながりで、初対面の人と盛り上がるようになった
皆が皆、相撲好きというわけではないため、一部の人に限られますが、初対面の相手と好きなスポーツや趣味の話になり、相撲を持ち出すと盛り上がることは多いです。
相撲ファンではなくても、多くの人は幼い頃、実家のテレビでニュースを付けているときに、相撲を少しは目にしているのではないでしょうか。だからこそ、相撲に興味はなくても馴染みがあって「一度は両国国技館に見に行きたい」という人も少なくありません。
2019年のまさに「今」の相撲は見ていなくても「90年代〜00年代は見ていた」とか「昔は見ていた」人も大勢います。彼らは今の相撲に詳しいわけではありませんが、彼らとは当時の横綱や今スポーツニュースとして取り上げられやすい力士について話ができます。
先日、友人が開いた食事会で出会った同世代男性とも、相撲の話をしました。「僕にとって◯◯-◯◯戦がベストバウト。だって土俵内を横に動いてんだから」と興奮した面持ちで、25年くらい前の取り組みの映像をYouTubeで見せてくれました。
彼や他のメンバーとは、「チケットを取るからみんなで初場所(2020年1月場所)を見に行こう」と話しています。たまたま相撲の話をした結果、うれしいつながりができた例のひとつです。
4.着物を着るようになった
暑い時期を除いて、大相撲を東京で見るときには着物を着るようになりました。力士や一部の女性客が、着物を粋に着こなしているのを見て、「自分も着物を着てみたい!」と思ったからです。
着物を着るようになってから、着物に詳しい母親と着物トークをしたり、着物の本を買って読んだりと、相撲からさらにひとつ、興味関心が広がったのはうれしいことです。
5.応援する相手がいる喜びを知った
戦いの仕方や見た目、キャラクターなど、好きになる要素はいろいろありますが、私には推し力士が何人かいます。
すでに有名な関取だけでなく、これからどんどん上に上がっていくんだろうな、と思える若い力士、地元が同じということもあってがんばってほしいなと思う力士など、たくさん。
後援会に入ったり、その力士のアイテムを買ったり、現地で声援したり…と、自分のできる範囲で応援しています。そうやって自分の琴線にふれた誰かを心を込めて応援する体験は、かけがえのないものだなと感じています。
何かにハマり、熱狂する体験は今までなく、30歳を過ぎて初めてハマったのはプロレスでした。それに続いて相撲にもハマり、ふたつの経験を通して感じたのは、何かにハマること=人生をより楽しくしてくれることでした。
著者:池田 園子
フリー編集者・ライター。岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。