2020年1月17日金曜日

学校へ行くモード

連休明けに子どもを「学校へ行くモード」にする5つのポイント




子ども時代に「夏休み明けに登校するのがつらかった」という記憶がある人は多いはず。大人でも、年明けやお盆休みの後に仕事に向かうのはおっくうなものです。そこで、オーストラリアにあるモナシュ大学の発達心理学の専門家であるクリスティーヌ・グロヴェ氏とケリー・アン・アレン氏が、「連休明けの子どもを学校へ行くモードする5つのポイント」を伝授しています。

5 tips to help ease your child back into school mode after the holidays
https://theconversation.com/5-tips-to-help-ease-your-child-back-into-school-mode-after-the-holidays-129780


◆1:毎朝の準備の予定を組む
夏休みなど大型の休暇の後には、多くの場合新学期などの大きな変化があります。こうした時期には、子どもを特にしっかりサポートするのが大事になるとのこと。具体的には、以下のような点について改めて確認して、チェック表や行動予定表を作成します。

・起床、朝食、着替えなど、朝起きてから登校するまでにどんな準備が必要か?
・朝の準備の内、子どもが自分でできることは?
・子どもだけではできないので、サポートが必要なことは何か?

起床などはあまりにも当たり前すぎるようにも思えますが、休日モードの睡眠サイクルからいきなり朝早く起きようとすると調子が崩れてしまうことがあるので、健康的な睡眠・運動・食事を習慣にしておくことは、おろそかにしてはならないとのこと。オーストラリア・クイーンズランド州のガイドラインによると、5~13歳の子どもが必要とする睡眠時間は9~11時間、14~17歳では8~10時間とのことなので、この睡眠時間を計算に入れて起きる時間や寝る時間を決める必要があります。

また、十分な助走期間を設けることも大切です。アメリカの国立睡眠財団によると「登校初日の2週間前から、目覚ましのアラームなどを利用して早寝早起きの習慣をつけておくといいでしょう」とアドバイスしています。


◆2:学校について話し合う
多くの子どもは、学校についての不安やストレスを抱えています。そこで、学校生活についてよく話し合うことで、心配事を聞き出すことが重要になるとのこと。さらにグロヴェ氏は、年齢に応じて次の3段階の会話やサポートが推奨されるとしています。

・初めて保育所や学校に行く子ども:保育所や学校に行くことの意味について一緒に紙に書く
・小学校1年生:一緒に登下校する近所の子どもと顔合わせしておくなど、子どもの仲間作りのサポート
・2年生以降:PCやスマートフォンなどの電子機器との付き合い方や睡眠習慣、宿題などの学業についての方針を決め、家族全体で健康的な習慣作りを確立しておく

◆3:学校の一員だという自覚を育む
過去の研究では、「学校に所属している」という感覚と、子どもの成績や幸福には深い関係があることが示唆されています。そのため、会話の中で子どもを励ますようにして、学校に前向きな考えを持ってもらうといいとのこと。

また、子どもを持つ親たちに、子どものストレスの原因を尋ねた別の調査では、半数以上の親が「子どもの最大のストレス要因は学校と宿題」と答えています。そこで、家族が積極的に子どもの宿題や勉強の手伝いをすることも、学校に前向きな姿勢を培うポイントだとのことです。


◆4:ストレスの兆候に注意する
学校生活や家庭で以下のような行動が見られたら、子どもが大きなストレスを抱えている可能性が高いとのこと。

・異常にべたべたしたり、教室から脱走しようとしたりする
・落ち着きがなく気まぐれな様子を示す
・大人に交渉や取引をもちかけて、学校での活動を避けようとする
・学校に行きたがらない
・親指をしゃぶったり、赤ちゃん言葉を使ったり、お気に入りのぬいぐるみへの執着を見せたりするなど、幼児退行の傾向を示す

一時的ならともかく、半年ほどこうした傾向が続くのであれば、いじめなど重大なストレスに直面しているおそれもあるとのこと。そんな場合は、学校の先生や相談員と協力して、学校で何が起きているのかを確かめる必要があります。


◆5:どんどん質問させる
グロヴェ氏によると、新学期からの学校生活について、子どもにどんどん質問をさせて、疑問を解消させるといいとのこと。学校の話になると親にも分からない場合もあるので、答えに窮したら学校が発信している情報を確認したり、学校に連絡して情報共有したりする必要があります。

グロヴェ氏は「一番大切なのは、子どもになんでも話してもいいんだということを伝えることです。例えば、1日の中で話をする時間を決めて、学校について話をする習慣を設けると、子どもが学校生活に戻る際の不安を解消するのに役立ちます」とアドバイスしました。

2020年1月16日木曜日

「邪魔なんだよっ!」 、「子連れで乗るな」という批判

通勤ラッシュでベビーカーに暴言「邪魔なんだよっ!」 、「子連れで乗るな」という批判

通勤ラッシュでベビーカーに暴言「邪魔なんだよっ!」 、「子連れで乗るな」という批判の画像1

 ものまねタレントのみかんが15日、「乗っちゃいけないの!?」というタイトルでブログを更新。子どもを連れてラッシュ時の電車に乗ったところ、見知らぬ男性から暴言を吐かれ、<とても辛く苦しい思いをした>と明かした。
 みかんは基本的には車移動だが、この日は仕事の都合で電車移動を選択。子どもを預けることも難しく、やむを得ず子どもを連れて朝8時台の電車に乗り、仕事に向かったという。
 しかし、朝の通勤ラッシュ時の電車は大混雑。ベビーカー優先の車両を利用しようとしたが乗れず、3本電車を見送ってようやく乗車できたそうだ。
<ベビーカーと仕事道具が入ったトランクもあったので、荷物はなるべく最小限に抑え小さめのトランクで少しでも迷惑かけないよう頑張って来たつもりです>
 と、周囲の迷惑にならない配慮をしていたそうだが、それにも関わらず、降車していくサラリーマンから「邪魔なんだよっ!」と嫌なトーンで捨て台詞を吐かれたという。
なんて心が狭い人がいるんだろうと思った反面、とても辛く苦しい思いをして、その場にいるのが耐えられなかったです。。。次の駅でマネージャーに会い、なんか泣きそうになっちゃった
こんな思いをして電車に乗らないといけないんでしょうか? 正直、もう電車移動はあまりしたくないと思いました>
<女性専用車両があるなら、「女性&ベビーカー&マタニティ&子供専用&車椅子」などなど、これらをひっくるめた号車を10何号車ある中で1つ作って頂きたい!! そうすれば、不快な思いをする人も減るし、共感も出来てみんな快適に過ごせると思うんだけどなぁ>
 このブログ内容に、ネット上ではさまざまな意見が続出。みかんに同情する声もあるものの、とくに目立つのは「子連れで通勤ラッシュの電車に乗るな」という意見だ。
 Yahoo!ニュースのコメント欄では、「暴言を吐いたサラリーマンは論外だけど、ラッシュ時にベビーカーは誰でも邪魔って思ってるよ」「そんな小さい子がいるならタクシーを使うべきです」などと、否定的な声が大きくなっている。
 また、「子どもを連れて電車に乗ること自体は問題じゃないですが、ラッシュの時間帯に乗るのはオススメしません」「殺人的に混んでるラッシュ時の電車に小さい子にベビーカーにキャリーバッグまで抱えて……は危険だし、子どものためにもやめた方がいいと思う」と忠告する意見も多くあった。

誰も好きで通勤ラッシュにベビーカーを乗せていない

 タレントのように発信力のある著名人に限らず、SNSでは「ベビーカーで電車に乗ったら睨まれた」「ベビーカーを見て嫌な顔をされた」などと訴える声が多くある。
 ネット上では、ベビーカーや親子連れへの嫌悪を訴えてはばからない声は珍しいものではない。公共交通機関を利用する子連れの保護者を「子連れ様」や「ベビーカー様」と揶揄し、煙たがる人がいることも事実だ。
 そうした視線は、子育てをする親に肩身の狭い思いをさせ、追い詰める。
 保護者の立場にたってみれば、できることなら通勤ラッシュの時間帯に、子連れで電車移動をしたくないものだ。やむを得ない事情があって利用している場合が多いだろう。大前提として、子連れやベビーカーが電車に乗れない・乗ってはいけない理由はない。
 しかしこの問題の難しさは、電車に乗り合わせたベビーカーを「邪魔だ」と感じてしまう人を、一概に「不寛容だ」と断罪したとしても、問題そのものが解決に向かうことはないのではないかという点だ。親子連れに敵意を向けたり、暴言を吐いたりするような輩は論外だが、仕事に向かう超満員の電車で気持ちに余裕が持てず、殺伐とすること自体は誰にでも起こり得る。
 結局のところ、社会側の多様性の担保がまだまだ足りない。ベビーカーを利用する乗客がいるのは「当たり前のこと」であり、もっと言えば車椅子ユーザー、盲導犬など、様々な人々でこの社会が構成されているということを私たちは知っておく必要がある。この社会は現状が完成形ではないし最良のかたちを保っているわけでもない。様々な条件や事情を持つ人々の使いやすさを意識した社会インフラに改善していくことも重要だ。もちろん、通勤ラッシュの混雑が解消できればなお良いが……。
https://wezz-y.com/archives/70597


関係を長続きさせるために最重要なのは

関係を長続きさせるために最重要なのは「肯定すること」でなく「否定しないこと」




新婚当時は仲がよかったのに、時間がたつにつれ愛情を示さなくなり、離婚へと向かうという例は多くあります。ここから、人間関係を長期的に継続させるために「当初の大きな愛情」がそこまで重要ではないことが読み取れますが、クイーンズランド大学心理学教授のロイ・ボーメイスター氏とジャーナリストのジョン・ティアニー氏は、最重要事項として「否定しないこと」を挙げています。数多くのカップルを調査することで明かされた、「カップルが否定性によって破綻する仕組み」が解説されています。

感情はポジティブな出来事よりもネガティブな出来事に反応する傾向にあり、「ネガティブ効果」と呼ばれるこのような現象によって人の思考はゆがめられています。たとえば賛辞と批判を受け取った時、人は賛辞に満足するよりも批判に執着する傾向にあります。ネガティブ効果は人が進化の過程で脅威を避けるために発達させてきた現象ですが、同時に、人の思考や行動を大きくゆがめるのも事実です。

人間関係においては、ネガティブ効果はパートナーの欠点をより大きな問題にみせます。人は頭の中で自己を過剰評価する傾向もあるので、「私はこんなにもやっているのに、なぜあの人は私に感謝しないのだろう?」と、相手のいい所が見えなくなり欠点ばかりが目に付くようになります。


これまでに多くの心理学者がカップルの幸せについて調査を行ってきました。その中の1つである、夫婦におのおのの満足度について評価してもらうという調査で示されたのは、「基本的に時間の経過と共に評価は下がっていく」ということ。これは必ずしも悪いことではなく、ほとんどのカップルは相手以外のものから結婚生活の満足を得ることで全体としての満足度を手に入れます。一方で、満足度が急激に低下することもあるとのこと。カップルを観察した結果、研究者はなぜカップルが破綻するのかという驚くべき理論を発見しました。

たとえば、パートナーが浪費や浮気で自分を不快にしていた時に、人が取り得る行動を以下の4つだと仮定します。

1:成り行きに任せて状況がよくなることを願う
2:何が自分を不快にしているのかをパートナーに説明して妥協案を見つける
3:何もしないし何もいわないがパートナーから心理的に距離をあける
4:別れると脅したり新しいパートナーを見つけたりする

4つの選択肢は「建設的あるいは破壊的」「受動的あるいは能動的」に分類できます。一見すると効果的なのは「2」のような建設的な選択肢ですが、調査の結果、実際にはそれほど重要ではなかったとのこと。また受動性や能動性もそこまで大きな差異を生み出しませんでした。もっともカップルに大きな影響を及ぼしたのは「破壊的」な選択肢で、「何もいわないが心理的に距離をあける」「別れると脅す」といった破壊的な選択肢をとると、人間関係がネガティブのスパイラルに突入してしまうそうです。


また、カップルを長期にわたって観察するProcesses of Adaptation in Intimate Relationships(PAIR)というプロジェクトでは新婚2年目のカップルにインタビューを行い、相手との関係のポジティブな側面とネガティブな側面を評価してもらいました。

すると、カップルのほとんどが関係について双方向の愛情を示しましたが、この時の感情は、その後の結婚関係の持続の予測因子にはならなかったとのこと。数十年が経過して判明したのは、長期的に幸せな結婚を続けたカップルよりも、離婚したカップルの方が結婚当時に示していた愛情が大きいということ。ここから、ポジティブな感情は結婚を長続きさせるために役立たないという結論が導けます。それよりも、ストレスや疑念、問題といったネガティブなものをどう扱うかの方が、関係の持続には大切だと考えられています。

心理学者のサンドラ・マレー氏とジョン・ホームズ氏の調査では、カップルを研究室で背中合わせに座らせ、テーブルに向かってアンケートに答えてもらいました。研究者はカップルに対して「同じアンケートに答えてもらう」と説明しましたが、実際にはアンケートは別のものでした。

夫婦に渡されたアンケートの1つは「相手の嫌いなところ」を書いてもらうもので、他方は「家にある全てのものをリストアップする」というものでした。このため、平均して1年半の関係を持つカップルの一方は相手の嫌いなところを1~2個書いてペンを起きましたが、もう一方は「最低25個」と指定されたアイテムを時間をかけて書き連ねることになりました。


このとき、早々にペンを置いたパートナーは「相手が自分の悪いところをたくさん書き連ねている」と考えました。最終的な種明かしの前に被験者たちが相手との関係について質問を受けたところ、「パートナーは自分を評価している」と理解する自尊心の高い人は相手の行動の影響をあまり受けない一方で、自尊心の低い人は「批判された」と強い反応を示したとのこと。

パートナーが自分の批判を書き連ねていると考えた自尊心の低い人は、その恐怖の影響を、「パートナーへの愛情と敬意の評価を下げる」という形であらわにしました。実際にはパートナーに評価されていたにも関わらず、不安を持つ人々は不必要にパートナーの行為に反応したとのこと。このような、自分を守るために相手を批判的にみる傾向が、人間関係に対して有害な影響を与えるとみられています。

また、このような反応には性差があることも研究では示されています。不安傾向が強い男性はパートナーである女性の不倫に対して恐怖を向ける傾向が高く、女性の場合はパートナーの不倫以外の拒絶に反応する傾向が高いそうです。

一方で同性カップルの場合は否定性の影響が少ないこともわかっています。研究者が同性カップルを10年以上にわたって追跡したところ、男性同士のカップルも女性同士のカップルも、異性愛カップルよりも争いが起こった時に楽天的である傾向が示されました。


異性カップルの場合、「女性の要求、男性のひきこもり」という対立の典型的なパターンがあり、女性が苦情や批判を開始し、男性がそれに対してひきこもる反応を示すことが、破綻のサイクルになっているとのこと。しかし、同性カップルの場合はこのようなケースがあまり起こりません。男性は苦情を申し立てる可能性が少なく、女性は批判に対して引きこもることがないためです。

多くの人は人間関係において「否定すること」がどのように影響するかを考慮しませんが、行き違いや問題が発生したときに否定性の影響を念頭に置いておくことが重要だと考えられます。

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