子供たちにとって、学校で勉強や宿題をすることだけが人生において最も重要ではない。アイルランド南部の小学校では、人間として何が大切かを生徒1人1人に実践させる特別な月間を、この3年にわたりプロジェクトとして導入してきた。
今年は、例によって12月に全校生徒の宿題を廃止し、その代わりに誰かに小さなことでもいいから親切な行いをすることを生徒たちに奨励している。
去年もこの試みが大きな成功を呼んだ学校側は、「若者たちが絶えずプレッシャーを感じるSNSが蔓延するこの時代だからこそ、こうした思いやりのある行為の実施が、社会で前進していくためのベストな方法となる」と話している。
12月いっぱい宿題を廃止にした小学校
アイルランド南部コーク州にあるGaelscoil Mhichil Ui Choileain小学校では、12月いっぱいは全校生徒への宿題が出ない。
今年で3年目となるこの特殊な試みを実践している同学校側は、宿題の代わりに、子供たちには家族や友人、地域社会へ、どんな小さなことでもいいから親切な行いを実行することを求めており、各生徒は毎日、「親切日記」にその行為を記録していく。
去年の12月は、宿題の代わりに感謝の気持ちを示すよう子供たちに薦めたところ、子供らとその家族は「感謝日記」にそれらを記録し、大きな成功を呼んだ。同学校の副校長は、このように話している。
去年の試みは、圧倒的な成功と積極性を導きました。今年は、積極的にアプローチし、誰かの人生に大きな違いをもたらすことができるような親切行為を行うよう生徒たちは求められています。
地域社会全体への互助が最終目標
学校側は、子供たちに高齢の隣人に何か親切なことをするか、孤独を感じている親戚や友人たちにやさしい行為をすることを提案しているが、誰かの1日を明るくするものであればどんな小さなことでも構わないという。
また、この試みがより素晴らしいものとなるよう、学校側は「親切なバケツ」も用意。子供らは、互いに親切な言葉を綴ったメモを書いてこのバケツの中に入れるのだ。
「親切な日記」と並んで「親切なバケツ」を設置することで、子供たちには思いやりの気持ちが湧き起こります。私たちは、子供たちがお互いにまわりの人々を思いやり、それがによって自尊心を高めるきっかけになればよいと思っています。(副校長)
毎週金曜日、学校の朝の集会ではランダムに親切な行為を選び、その場でシェアされる。小さな親切や、やさしい言葉が、誰かの人生に大きな違いをもたらすことができることを強調するためだ。
私たちが今いる世界は、若者が絶えずプレッシャーを経験しているSNSによって消費されています。
今の社会で前進していくためのベストな方法は、1人1人が優しさを実践することではないでしょうか。(副校長)
更に学校側は、12月の宿題廃止の最終目標として、各クラス全員でもって地域社会を助けるためのプロジェクトを生み出すアイデアとなるように導いている。
0 件のコメント:
コメントを投稿