私のことを大切にしてくれて、周りにも評判のいい彼氏だけど、その「優しさ」に違和感を覚えてしまう。それは、自分と彼氏が向ける愛情の方向が少し違っているからかもしれません。ケンカなどがない関係でも、まっすぐに心が結ばれている実感がないと、いつしか別れを考えてしまいます。「優しい彼氏」とのお付き合いに悩んだ女性について、お話しします。
周りには「優しい彼氏だね」と言われるし、私もいい人とお付き合いできて幸せだなと思っていた。でも、少しずつ「何だか違うかも……」という思いが出てきて、“優しい”が違った顔に見えてしまい最後はお別れ……。
「優しい彼氏」にはどんな問題があったのか、別れを選んだ女性たちのエピソードをご紹介します。
本当に「優しさ」? 女性たちが別れを決意した理由
1.「優先順位」に違和感を覚えて
「以前付き合っていた彼氏は、会社の同僚でした。仕事はテキパキこなすし後輩にも丁寧に教える姿を見ていいなと思い、いつの間にか好きになっていました。
私も彼みたいに周りに優しくできる人間になりたいな、と思って仲良くしていたら彼から告白され、すごくうれしかったけど……。
いざプライベートでも一緒に過ごすようになったら、デートでは電車で子どもや老人を優先したり困っている人を見れば声をかけたり、会社で見る姿と同じなところは良かったんです。
でも、誕生日にほしいものを聞かれてあるブランドのTシャツをお願いしたとき、それを買いに行った彼氏から
『最後の1枚だったからラッキーと思ったけど、横にいた女性もほしかったらしくて、がっかりするのを見たら我慢できなくて渡した』
と聞いたとき、“それって優先順位を間違えてない?”と思いました。
確かに優しいとは思うけど、それを着られなくなる私の気持ちは考えなかったの? と。それからは何だか彼氏の態度がいちいち気に入らなくなって、結局別れましたね。
会社では今でも同僚として仲がいいけれど、一時でも付き合った私に以前と同じような笑顔を見せてくるの、本当は情が薄いのでは、と思ってしまう」(32歳/企画)
優しさって、確かに周りの人を優先する気持ちにも現れますが、恋人の誕生日という特別なプレゼントまで譲ることが、本当に喜ばれる姿なのでしょうか。
このとき、彼女は「私も着たかったのに」という言葉をのみこんで「えらいね」と彼氏に返したそうですが、そのストレスに彼氏が気がつくことはなかったそう。
誰にでも平等に接する姿勢は素晴らしいですが、恋人まで同列にされたら、寂しさを覚えても仕方ありません。
誰だって、恋人になったのならほかの人より距離が近いことを実感したいですよね。
この姿が、逆に彼女を特別な存在と感じさせないことに、いつか男性が気づくといいなと思います。
2.「任されるプレッシャー」に耐えられなくて
「一度、恋愛経験があまりないという男性を好きになり、付き合ったことがあります。
女性の気持ちがわからない、と言うけど私が『もっとLINEしたいな』とお願いすれば付き合ってくれたり、『今から会いたい』と言えばすぐ時間を作ってくれたり、優しい人だなと思っていました。
周りの友人も『あなたと付き合いだしてから優しくなったよね』と言っていて、いいお付き合いができているんだなと思っていたのですが……。
たとえば、デートの日を彼から提案してくれるのですが、ご飯の話になったら『俺はいい店を知らないから、任せるよ』と私だけが行き先を考えたり、彼の服を買いに行ったら『君が好きなものでいい』と私が選ぶことになったり、私にばかり決定権を持たされることがだんだん辛くなってきて。
『○○に行こう』って誘ってくれてもそれが済んだら私が『もっと一緒にいたいな』と言わない限りそのまま解散になるので、それは寂しいと伝えたら
『君が口にしないから、もう帰りたいのかなと思った』と私の気持ちを勝手に決めていて、優しいというか引っ張っていく気がないのでは? と思うようになりました。
好きだけど、何でも任されるプレッシャーに負けたというか、デートの約束も『また私がランチを決めるのか』と苦痛に感じてきて別れました。
周りには『もったいない』と言われたけど、私を優先するように見せかけて気持ちを聞いてくることもない男性が、本当に優しいといえるのでしょうか」(28歳/サービス)
最初は、「あなたに合わせることが愛情表現なんだね」と笑って聞けていた話でしたが、ふたりでいても彼女が気持ちを口にしない限り自分からは「一緒にいたい」とは決して言わないのって、優しさと呼べるのでしょうか。
「彼女が一緒にいたいと言わないなら、その気がない」とどうして決めつけるのか、「彼女にその気がないのなら俺からも誘わない」ことが優しさと思っているのなら、大きな勘違いをしているといえます。
「恋愛経験が少ないって、こういうところかもね」と女性は寂しそうに笑っていましたが、合わせているつもりが女性には大きな負担になっていることに気が付かないと、せっかくお付き合いしても長続きはしませんよね。
本当にもったいないのは、女性に対して愛情があるのにふたりで関係を築いていく提案を考えられずに、任せきりにして女性が疲れてしまう自分に気づかないことです。
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他人を気遣ったりこちらのやりたいことに応えようとしてくれたり、その姿はたしかに「優しい彼氏」なのかもしれません。
でも、女性が欲しいのは交際を大事にしてくれる姿であり、そこに特別感がなければどれだけ合わせてくれても寂しさのほうが勝ってしまうもの。
負担やプレッシャーが無視できなくなったときは、彼氏に自分の気持ちをしっかりと伝えましょう。誠意のある男性なら、必ず自分の振る舞いを顧みて考え方について話し合えるはずです。
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