2020年1月24日金曜日

野生動物のほか、合計で112種類の野生動物や希少生物が食用

中国の新型コロナウイルスの感染源となった生鮮市場では「コアラ・オオカミの子ども・クジャク・ラクダ」などが食用として売られていた




中国で発見された新型コロナウイルスの感染症例は、湖北省武漢市内にある武漢華南海鮮卸売市場に出入りする人に多く見つかっていることから、この海鮮卸売市場が発生源だとの見方が広がっています。そんな武漢華南海鮮卸売市場では、直接の感染源になったとされる野生動物のほか、合計で112種類の野生動物や希少生物が食用として売買されていたことが指摘されています。

新型コロナウイルスが原因の肺炎で最初の死亡者となった60代の男性は、武漢市にある武漢華南海鮮卸売市場の関係者だったことから、当局は市場を閉鎖して徹底した消毒を行うとともに、感染源の特定を急いでいました。その後、遺伝子を解析した最新の研究により、中国の新型コロナウイルスは「ヘビからヒトに感染した可能性が高い」ことが判明しました。

中国の新型コロナウイルスが「ヘビからヒトへ」感染した可能性が高いことが判明 


新型コロナウイルスの直接の感染源として野生のヘビが有力視されていますが、武漢華南海鮮卸売市場ではヘビだけではなくさまざまな野生動物が食用として取引されていました。シンガポールの大手紙The Straits Timesの調べによると、武漢華南海鮮卸売市場で取引されていた動物やその肉は合計で112種類にも及ぶとのこと。その中には、コアラ・キツネ・ワニ・オオカミの子ども・オオサンショウウオ・ネズミ・クジャク・ラクダなどが含まれています。

長年にわたり武漢市に住んでいるイギリス人物理学教師アラン・レイン氏はタイム紙の取材に対し、「生きたハリネズミやヤマアラシなどを見たことがあります。それらは隠される様子もなく売買されていました」と証言。野生動物は、精肉された状態で売られていることもあれば、ケージの中で生きた状態で売られているものもあったとのこと。


野生動物を食べる習慣が原因で、中国がアウトブレイクの発生源になったのは、今回の新型コロナウイルスが初めてではありません。2002年には、重症急性呼吸器症候群(SARS)が中国を中心に大流行し、8096人がSARSコロナウイルスに感染、世界37カ国で774人が死亡するなど、猛威を振るいました。このSARSコロナウイルスは、中国で美味な食材として重宝されているジャコウネコが感染源だとされています。

さらに、2012年ごろから世界的な流行を見せ、2019年11月末までに少なくとも858が死亡している中東呼吸器症候群(MERS)は、ヒトコブラクダが感染源だと見られていますが、武漢華南海鮮卸売市場ではラクダの肉も売られていました。

市場のメニュー表にはラクダのイラストがあるほか、「生きたコアラ」を意味する「活樹熊」の項目も確認できます。


中国では、多くの野生動物の売買が禁止されているかまたは特別な許可が必要ですが、規制が緩いため公然と取引されているとのこと。武漢華南海鮮卸売市場の関係者は中国の大衆紙新京報の取材に対し、「市場が閉鎖される直前まで、野生動物が普通に売られていました」と話しています。


ニューヨークを拠点とする野生生物保護協会のクリスチャン・ワルツァー氏は、「新しい感染症のうち、70%は野生動物に由来しており、野生動物を取引する市場は自然に住む宿主からウイルスが拡散する機会となります」と述べて、野生動物を食べる習慣のリスクを強調しました。

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