2020年1月24日金曜日

子どもの宿題

子どもの宿題を親が手伝う適切な方法とは?




宿題をやろうとしない子どもを持つ親は少なくありませんが、親が宿題をやってしまっては子どものためになりません。「親が子どもの学習機会を奪うことなく宿題を手伝う方法」について、オーストラリアのモナシュ大学で教育学の講師を務めるMelissa Barnes氏とKatrina Tour氏が解説しています。

Barnes氏らは、「親は子どもにとって生まれて最初に出会う人生で最も重要な教師です」と指摘。400件以上もの調査結果を分析した2019年の研究では、子どもの年齢や社会経済的状況に関係なく、親が子どもの学習に関与することで子どもの学業成績が向上したり、勉強への動機付けが強まったりするメリットが確認されています。しかし、この分析研究においては、「親が子どもの学習に関与する方法」について注意するべきだと示唆されているとのこと。

親が子どもの学習に関与する方法として、親が教師と面談を行ったり、子どもと学校について話し合ったり、学習のための機会や励ましを与えたりすることが挙げられます。また、親が子どもの宿題を手伝うことも、子どもの学習に関与しているといえますが、親が子どもの宿題を助けすぎてしまうと、子どもの学業成績が悪くなったそうです。

宿題が好きな子どもはほとんどいませんが、宿題と学業成績についての包括的な分析では、特に7~12歳の子どもにおいて宿題を行った場合に学業成績が向上すると示唆されています。そこでBarnes氏らは、子どもの宿題に対する責任感を奪うことなく宿題を手助けするためには、「子どもに宿題を最後まで完了させること」を目標にするのではなく、「自分で宿題を終えられるという自信を子どもに持たせること」を目標に支援を行うべきだと主張しています。


実際にBarnes氏らが提唱する、「親が子どもの宿題を手伝う4つの適切な方法」がこれ。

◆1:子どもを褒めて励ます
子どもの宿題に対するモチベーションを上げるためには、まず親が積極的に子どもを褒めることが効果的だとのこと。たとえ親が子どもの宿題内容について理解していなくても、子どもの横に座って宿題の内容について質問したり、話し合ったりすることが子どもの積極性を増すとBarnes氏らは指摘しています。

◆2:学習内容をモデル化する
多くの教師は子どもに対して知識を与えるだけでなく、問題を解くための「モデル」を与えます。子どもが宿題につまづいている場合、親が「問題の解き方のモデル(解法)」を提示し、実際に一問だけ子どもと一緒に問題を解いてみて、子どもにモデルに沿った問題の解き方を教えることが効果的だそうです。


◆3:宿題の計画を作成する
宿題に対して子どもが過度のストレスを感じている場合、無理に宿題をやらせようとするのは逆効果です。そんなときは、子どもに無理を強いる代わりに、親が一緒になって「宿題に取り組むための計画」を作成することを、Barnes氏らは推奨しています。子どもの宿題計画を作成する際の流れが以下。

・宿題を読んでタスクの内容を理解する。
・宿題を小さなタスクに分割する。
・各タスクを完了するのに必要な時間を考える。
・締め切りから逆算して、スケジュール表を作成する。
・子どもの目に付く場所にスケジュール表を置いておく。
・完了したタスクにチェックを入れて、宿題の進行度を確認するように子どもに促す。


◆4:宿題用の時間を確保する
子どもが宿題をやる時間を確保することは、前向きな学習習慣を作り出す上で重要です。そこでBarnes氏らは、子どもが宿題をやる時間帯は親もテレビやゲームといった騒がしい娯楽を控え、読書などの学習に一緒になって取り組むことを推奨しています。家族が一緒になって学習する時間を設けることで、子どもが快適に宿題に取り組むことができるとのことです。

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