5月に元号が変わった今年も間もなく終わり、令和2年を迎えます。
令和初めてのお正月となりますが、お正月と言えば子どもが待ち遠しいのはお年玉ですね。今どきのお年玉の金額はどのくらいで、どの様な使い道となっているのでしょうか。今どきのお年玉事情を見てみましょう。
お年玉やそれにまつわる由来を知ろう
まずはお年玉やそれにまつわる由来を知っておきましょう。お年玉の始まりは、元々はお金ではなくお餅でした。お餅は「魂」を象徴するものだったのです。お正月にお迎えする「年神様」は、鏡餅に宿ります。年神様の宿った餅玉は、その年の塊となる「年塊」となり、その餅を家長が家族に「お年塊→お年玉」として与えたのが由来です。
この餅玉を食べるための料理がお雑煮で、餅を食べることで体に魂を取り組むことが出来るのです。江戸時代にはこのお年玉が庶民に浸透し始め、お餅だけではなく品物やお金を渡すこともありました。こういった年始の贈り物を「お年玉」と称するようになります。
お年玉の風習は時代を超えて受け継がれましたが、高度経済成長期頃から都市部を中心にお金が主流となり、贈る相手も子どもになっていきました。
お年玉を渡す時にお金を入れる祝儀袋は「ぽち袋」と言いますね。ぽちは「点、小さい物」という意味の関西地方の方言に由来し、「点袋」と書きます。こちらは明治時代に、ひいきの芸者やお店の方に心づけを渡す時に使われたのが始まりです。少しの心遣いを小袋に入れたこれっぽちという控えめな気持ちから「ぽち」になったと言われています。
ぽち袋は関西を中心に気軽な祝儀袋として浸透し、1960年代にはお年玉の袋としても広く使われるようになりました。関東では「お年玉袋」と呼んでいましたが、徐々にぽち袋という言葉が広まりました。
気になるお年玉の金額相場
お年玉にいくらあげたらいいのか、気になる所ですね。子どもの年齢や関係性、家庭事情などで様々だとは思いますが、相場を知っておきましょう。
・未就学児
3~6歳の未就学児は1,000円程度という結果となりました。500円と1,000円が、60~70%を占めています。小さい子には、お札よりコインの方が喜ばれるという理由で500円玉を渡す方も多い様ですね。
・小学校低学年
1,000円、2,000円、3,000円がそれぞれ30%前後という結果になりました。500円が圧倒的少数になっていることから、入学後は1,000円以上が暗黙の了解となっているかもしれませんね。
・小学校高学年
ほとんどの地域で3,000円が多くなります。この年代は子どもだけで出掛けたり、自分の財布からやりくりしたりする機会も増えてきますね。相場である金額が増えてくるのも納得できます。
・中学生
相場は5,000円となります。
・高校生
金額は大きく上がり1万円という回答が増えています。しかし5,000円という回答も40%前後ある為、家庭により相違が出てくる年代と言えるでしょう。
※オイシックスアンケート結果より
お年玉を誰からもらったかについては、祖父母が93.4%、おじ・おばが74.3%、自分の親が65.6%となりました。
※株式会社バンダイ 2017年アンケート(小1~中3親子対象)
親から子へのお年玉については、あげないという人も多く、意見が分かれます。あげない理由としては「親戚からもらうので十分」「毎月小遣いをあげているので改めてお年玉としてはあげていない」というものがありました。
筆者も親からお年玉をもらったことがなかったので一般的にそういうものだと思っていましたが、大人になりもらっていた人も多くいると知って驚きました。逆に親戚が多かった為、親からもらわなくても十分満足していましたし、同じだけ親も親戚などにあげていたことを考えると、負担は多かったのかなと感じています。
みんなはお年玉を何に使っている?
お年玉の使い道はどうしているのかも気になりますね。使い道のランキングを見てみましょう。
1. 貯金 39.2%
2. 飲食物 29.1%
3. ゲーム機・ソフト 28.3%
4. 文房具・雑貨 23.9%
5. おもちゃ 22.6%
6. 書籍 22.1%
7. マンガ 21.2%
以下、衣類や映画鑑賞、ゲームセンターなどが続きます。
貯金がダントツで1位となり、特に女子は45.5%という高い結果となりました。男子の総合1位はゲーム機・ソフト。男子の場合は、おもちゃも総合の5位よりもランクが上で、マンガは書籍より上のランクでした。「ゲーム、おもちゃ、マンガ」が男子には人気のようですね。対して女子のトップ5には文房具・雑貨、書籍が入っています。実用的・大人っぽいものを好む傾向にあるようです。
お年玉をくれる人がたくさんいる場合には、お年玉も高額となりますが、「子どもからお年玉を預かっている」という親が全体の3分の2を占めていました。「好きなものを1つ買い、残りは貯金」「お年玉を年間のお小遣いとする」というルールを決めている家庭も多くあるようです。
子が5歳以下の場合、大半の親が管理をし、小学生になると管理する割合が減ってきます。中学生になると自由に使える金額も上がり、「基本的に全て本人の意思に任せる」という家庭も多くありました。もらったからすぐに全部自分で使えるというのではなく、使い方をしっかりと話し合う必要がありますね。
ルールを決めた上で、計画的に使ってみることはお金の使い方を学ぶ良いきっかけにもなります。お正月でゆっくり出来る機会に親子で話しあうのがいいでしょう。お小遣いを渡していない、お小遣い帳をつけたことがないという子の場合は、これを機会にお小遣い帳を始めてみるのもいいですね。
※株式会社バンダイ 2017年アンケート(小1~中3親子対象)
知っておきたいお年玉のマナー
近しい人にあげることの多いお年玉ですが、場合によっては年に一度しか会わない親戚の子にあげるということもあるかもしれません。お年玉の基本的マナーも覚えておきましょう。
・お金の折り方
一般的なぽち袋のサイズは縦97mm横64mmとなり、お札を入れる際には折る必要があります。基本的には肖像画が描かれている面を表とし、三つ折りにします。左端を3分の2の所まで降り、さらに左側を折り返すとキレイに三つ折りにすることが出来ます。新年のお祝い事なのでピン札が望ましいでしょう。
・名前の書き方
ぽち袋表には相手(子ども)の名前、裏面に自分の名前を書きましょう。名前を書くスペースのないデザインの場合は、袋の中に小さなメモを入れます。相手の名前と自分の名前、さらに一言添えておくのがオススメです。
・ぽち袋を持っていない場合
予定していなかった子に会った場合、ぽち袋がないこともあるでしょう。だからと言ってお金をそのまま渡すのは失礼です。手持ちの紙や封筒などに包んだり、折り紙などがあれば折って袋状にしたりしてお金を包みます。どうしても包むものがない場合はティッシュペーパーで代用することも可能です。素で渡さないように注意しましょう。
・本人や家族と会わない場合
遠方であったり予定が合わなかったりする場合でも、お年玉を贈りたいという場合もありますね。お年玉を贈りたいと思えば、現金書留で送りましょう。しかし贈りたい気持ちはあるがかえって相手に気を遣わせてしまうかもしれないと思う時は、新しい文具などモノを贈るのも良いでしょう。その際はメッセージを添えると、相手も喜んでくれるでしょう。
・子どもがいない相手からお年玉をもらったら
子どもがいない相手からお年玉をもらった場合、お年玉は基本的には大人から子どもへの贈り物の為、お返しは必要ありません。しかし申し訳ないと感じる方もいるでしょう。もし毎年いただいていて今年もいただくことが想定されるなら「お年賀」を用意しておくのもオススメです。また、お正月以外の時期に改めて会った際に手土産を渡す、食事をごちそうするなどの配慮をしてもいいですね。
お返しの必要はありませんので「こうしなければならない」という決まりはありません。気になる場合は感謝の気持ちをお礼という形で表しましょう。
筆者の子は小学校低学年ですが、小学生になって初めてのお年玉から本人に管理させることに決めました。ゲームが好きなので買う予定の様です。欲しいゲームがいくつかある中、当然全てを買うことは出来ないので、どれにしようか悩んだり、それぞれの金額を見比べたりすることで「こんなに金額が違うのだな」と気付くこともあるようです。親としても、「お年玉で買っているから」という理由でねだられても買い与える必要がなくなり、かえって良いのかなと感じています。
いただくお年玉の総額にもよるでしょうが、子どもに管理を任せることで色々自分で考えることが出来るのでオススメです。全てを任せないとしても、「この金額までは好きに使わせてみよう」などと金銭管理をさせてみるきっかけにするのもいいですね。
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