亜鉛や葉酸のサプリには「精子を増やす効果なし」と判明、それどころか副作用の可能性も
亜鉛は、不足してしまうと男性の性腺機能不全や精子形成の減少が起きることから、活発な細胞分裂と関係が深いとされる葉酸とともに、「精液の量や質を改善するサプリ」として服用されてきました。しかし、2000人以上の男性の精液を詳しく分析した実験により、「亜鉛や葉酸のサプリに精液の量や質を向上させる効果はない」ということが判明しました。
不妊に悩むカップルのうち、3分の1は男性不妊が原因であるとされており、そうしたケースでは男性の精液の質が主な問題となっています。そのため、血液の30倍の濃度で精液に含まれている亜鉛を積極的に摂取して精液の質を向上させることで、不妊が改善すると考えられてきました。
しかし、亜鉛や葉酸のサプリが実際に精液の質を高めるかどうかについては、大規模な検証が行われたことがなかったため、国立衛生研究所内部研究プログラムの上級調査員Enrique Schisterman氏らの研究チームは、実際に男性らにサプリを飲んでもらう実験を行い、その効果を検証しました。
研究チームはまず、医療機関でパートナーと共に不妊治療に取り組んでいる男性2370人を実験の参加者として募り、1185人ずつ2つのグループに分けました。その後、実験グループには亜鉛30mgと葉酸5mgを含んだサプリを1日1錠ずつ服用してもらい、もう片方の対照グループには偽薬を飲んでもらうプラセボ対照試験を6カ月間実施しました。
実験期間終了後、研究チームが両グループの妊娠率を調べたところ、実験グループの男性が子どもを授かった確率は34%だったのに対し、対照グループの男性では35%と、むしろ偽薬を飲んだグループの方がわずかに確率が高いという結果が判明。さらに、不妊の原因の1つとされる「精子中のDNAが断片化している割合」を検証したところ、実験グループでは29.7%だったのに対し、対照グループでは27.2%と、やはり大方の予想とは逆の結果が出ました。
研究チームは両グループの精液の質を「濃度および量、精子の総数・運動性・形状」などの多岐にわたって詳細に比較しましたが、有意な差は見られなかったとのこと。また、実験グループの男性は対照グループの男性に比べて、腹痛または腹部不快感・吐き気・嘔吐などの胃腸障害を多く訴えていたことがわかりました。
研究チームはまず、医療機関でパートナーと共に不妊治療に取り組んでいる男性2370人を実験の参加者として募り、1185人ずつ2つのグループに分けました。その後、実験グループには亜鉛30mgと葉酸5mgを含んだサプリを1日1錠ずつ服用してもらい、もう片方の対照グループには偽薬を飲んでもらうプラセボ対照試験を6カ月間実施しました。
実験期間終了後、研究チームが両グループの妊娠率を調べたところ、実験グループの男性が子どもを授かった確率は34%だったのに対し、対照グループの男性では35%と、むしろ偽薬を飲んだグループの方がわずかに確率が高いという結果が判明。さらに、不妊の原因の1つとされる「精子中のDNAが断片化している割合」を検証したところ、実験グループでは29.7%だったのに対し、対照グループでは27.2%と、やはり大方の予想とは逆の結果が出ました。
研究チームは両グループの精液の質を「濃度および量、精子の総数・運動性・形状」などの多岐にわたって詳細に比較しましたが、有意な差は見られなかったとのこと。また、実験グループの男性は対照グループの男性に比べて、腹痛または腹部不快感・吐き気・嘔吐などの胃腸障害を多く訴えていたことがわかりました。
Schisterman氏は実験結果について、「不妊治療を受けている人々は、わらにもすがる思いで治療法を探しています。サプリメントの費用は月額60ドル(約6500円)と、数万ドル(数百万円)はかかる侵襲的治療に比べて安価なのですが、実験結果は失望そのものでした」と話しました。
また、共著者のマシュー・ピーターソン氏は「大規模かつ厳密な無作為化実験により、亜鉛や葉酸などの栄養補助食品はカップルが妊娠する可能性を向上させず、むしろ有益ではない副作用を引き起こすおそれもあることが示されました。あらゆる年齢層の男性にとって、健康的な食事は生殖機能を維持する助けとなりますが、精液の質を改善するために追加で特別なものを摂取しても意味はありません」と述べて、サプリメントは不妊治療には効果がないとの見方を示しました。
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