2020年1月8日水曜日

自殺は日本社会の大きな問題

元衆議院議員三宅雪子さん(54)が自殺と報道 50代前半の自殺は日本社会の大きな問題 自殺原因の第一位は……


お屠蘇気分も抜けきれない1月6日、元衆議院議員三宅雪子氏(54)が都内海岸で、遺体となって発見されたことが一斉に報じられた。現時点で詳細な死因などは報じられていないが、入水自殺の可能性だという。
ネットメディアではすでに、知己を含めた関係者が故人の人となりなどを語っているので、面識もない部外者が触れるべきところはない。正直、国会時代のややエキセントリックとも思える言動には辟易とした面もあったが、個人的にはまったくの同年代でもあり、亡くなったことはお気の毒としか言いようがない。
その三宅氏の行年は54歳(彼女が自殺と断定はできない。為念)。実は50代の自殺というのは、日本社会に大きな影を落としているのだ。データを見てみよう。
厚生労働省(以下・厚労省)によると、50~(三宅氏の行年である)54歳までの男女合わせた死因1位は、悪性新生物で、割合として40%を占める。そして2位は心疾患の12・3%、僅差の3位が自殺の12・2%、4位に脳血管疾患が9%で続く。
死因断トツ1位の悪性新生物、いわゆるガンの怖さがよくわかる数字ではあるが、このあと5歳刻みに55~84歳まで、1位悪性新生物、2位心疾患、3位脳血管疾患と“国民病”での死因が続くことを考えると、自殺の胸突き八丁は50代前半と言ってもいいだろう。
またそれ以前の若い世代をあげておくと、20~39歳までは圧倒的数字で1位が自殺、2位にはざっくり20代で不慮の事故、30代になって悪性新生物がランクされるようになる。これは20代では(当たり前だが)自死以外ではそうそう死なないということでもある。そして40~49歳になって悪性新生物に1位の座を譲るが、2位はやはり自殺だ。そして問題の50代へと繋がるのだ。
その50代前半の自殺原因だが、同じく厚労省のデータによれば、夫婦関係の不和が1位。以下・同数の2位で家族の死亡、家族の将来への悲観、3位になって介護・看病疲れがランクされている。いずれも家族という極めて身近な人間関係が原因となっていることは、なんとも複雑だ。
なんにしても、50代前半と言えば、労働力としては「最後のご奉公」とばかりにムチが入る年代でもあり、家庭内では男女ともに大黒柱として支える立場にある。この年代が疾病原因で死亡するならまだしも、自殺を選ばざるを得ないという状況が、日本社会にとっていいワケがない。
データで見えてきたのは、50代前半は「自殺のピーク」でもあり、ここを乗り切ればそのくびきからは遠ざかることが出来る、ということだ。簡単な話ではないが、社会全体で留意してみる必要があるのはないか。

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